私たちの生活(くらし)は柔らかな戦場だった――。
貧困、暴力、存在の否定。虐待的ともいえる過酷な家庭環境に育った10歳の少女は、
突如母と妹と三人で野宿しながらの日本一周をすることになった。
過酷な日々のなかで、少女は自らの進むべき道を見出していくことができるだろうか。自伝的ノンフィクション・ノベル。
襲い掛かる様々な困難に立ち向かうサバイバルの日々を経て、
成長した彼女の姿にとても勇気づけられる一冊。
――わたしたち、また生きて会おうね。
【読者からの感想続々!】
「登場人物が人とかかわることによって成長していき、私もこんな風に人とか
かわっていき、成長できたらいいなと思いました。
――ラストは衝撃を受けました」
(14歳:女性)
「私はこの本を読むまで、自分も家庭内暴力を受けていたのに、忘れていたな、
と思いました。忘れていたというのとは違うかもしれません。自分の育ってき
た環境が、暴力だとも思ってなかったです。
まわりの友人も、親や兄弟から殴られていて、そういう生活や育ちがあたりま
えっていうか。暴力をふるわれていたとか、社会問題だとか思ってない人が多くて。
人の目を通して状況を見ることで、「ああ、あれは暴力だったんだ」って思いました。
親に殴られて育つと、大人になってからも気づかないままにその影響が出て、
人にうまく頼れなかったり、自分を卑下してしまったり、パートナーとの関係
でまた苦しんでいる人も多い気がします。何が悪かったのかわからなくて、言
葉にできないけどもやもやと苦しんでいる人もいます。
自分の立ち位置や過去を認識してしまう辛さはあるけど、そういう人が読んで
みるといいのかもしれないと思います」
(26歳:女性)
「家族の習慣とか、考えとか、暴力だとかどうしようもない部分は、意に反し
てじっとり染み付いていく。家族の持つ負の影響に対して抗おうとしないと、
嫌な形で、脈々と続いてしまう。
家族って、いいことだけじゃなくて、嫌なことも引き継がれていく。母娘の物
語として多くの女性が共感できることだと思いました」
(35歳:女性)
「この人が見てきた景色、乗り越えてきた日々が剥き出しの言葉で描かれてい
た。そこには”普通”や”当たり前”の向こう側にある決してなくすことのできないものがあった。
それは、正しさなんてものを越えた”生きる”ということだ。心の弱さがあっ
たから、自業自得だなんて言葉では決して流せない力強い生。その力強さは、
きっと読む人の心にも伝播するのだろう。僕の心にも、確かな手触りとともに
ずっと残り続けるのだろう」
(29歳:男性 書店員)