蒐集癖こそが、おたくの重要な特質である。じつは、日本の近・現代に燦然と輝くコレクターたちは、いずれ劣らぬ、元祖おたくなのであった。柳田国男、南方熊楠から、澁澤龍彦まで、博覧強記の学者や一つ分野を極めたコレクターなど、後の文化に大きく貢献した彼らこそ、おたくの理想像と言える。そうした人物の源流をさぐる異色文化論。