大正・昭和初頭の都市モダニズムは満州で開花し、戦時下の文化・スポーツ活動に結実した。その担い手は林達夫、小泉信三、岡部平太、竹中英太郎ら「挫折」を経験した人々であり、石原莞爾を中心とする知的水脈と共鳴した。彼らの開かれた精神から日本人の生き方のもう一つの可能性を探り出す、近代日本の歴史人類学という課題に挑む記念碑的労作。