「神戸」「異人館」「姫路城」「但馬牛」「忠臣蔵」などが連想されがちな兵庫県-。全県的なイメージが希薄なのは、各地域の歴史が古くて多彩だからである。古墳の数は日本一で、海外貿易の窓口となり、都が置かれたこともある。平安時代末期には平氏と源氏軍が、南北朝期には楠木正成が足利尊氏と戦い、戦国時代末期には、黒田氏と結んだ羽柴(豊臣)秀吉が全県を計略する。江戸時代には、姫路城を完成させた池田輝政の一国支配から小藩分割の時代を迎える。明治に入ると創意にあふれた実業家や企業を輩出し、日本の近代化に寄与する。本書では、魅力あふれる意外な兵庫県の歴史を紹介する。