泥鰌売りをして細々と独り身の生計を立てている岩三郎は、篠突く雨に打たれて長屋の木戸門にもたれかかる若い女を助ける。だが、事情を問う彼にお菊と名乗る女は、何も聞かずここに置いてほしいと懇願するばかり。やがて二人の暮らしぶりが長屋の噂になり始めたころ、岩三郎は思わぬ事実を知らされる-。傑作時代小説、シリーズ第十三集。
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