むき出しの暴力、軍閥ボスのエゴ、戦争が日常の子どもたち……。泥沼の紛争地でいかに銃を捨てさせるか? 東チモールからアフガンまで現場を指揮した男が明かす真実。真の平和論はこの一冊から。(講談社現代新書)
職業:「紛争屋」
職務内容:多国籍の軍人・警官を部下に従え、軍閥の間に立ち、あらゆる手段を駆使して武器を取り上げる。
紛争解決の究極の処方箋?――DDR
ハンマーがひとつ、ふたつと、古びたAK47オートマティック・ライフルに打ち下ろされる。やっと銃身が曲がり始めたところで、涙を拭い、また打ち下ろす。ハンマーを握るのは、歳の頃は18くらい。まだ顔にあどけなさが残る、同じ年恰好の少年たちで構成されるゲリラ小隊を率いてきた“隊長(コマンダー)”だ。(中略)何人の子供たち、婦女子に手をかけ、そして、何人の同朋、家族の死を見てきたのだろうか。長年使い慣れた武器に止めを刺すこの瞬間、この少年の頭によぎるのはどういう光景であろうか。通称DDR(Disarmament,Demobilization&Reintegration:武装解除、動員解除、社会再統合)の現場である。――<本書より>
机上の空論はもういらない 現場で考えた紛争屋の平和論!
●魑魅魍魎の日本のNGO業界
●政治家なんて恫喝させておけ
●紛争屋という危ない業界
●後方支援は人道支援ではない
●米国が醸し出す究極のダブル・スタンダード
●テロを封じ込める決定的解決法
●和解という暴力
●紛争解決の究極の処方箋?――DDR
●多国籍軍の体たらく
●戦争利権としての人道援助
●日本の血税で買ったトラックが大砲を牽引する
●改憲論者が護憲論者になるとき