ドイツは日本のモデルとなりうるのか。ヴァイツゼッカーの演説から20年、今年は広大なベルリンの慰霊碑が完成し、多くの日本人が彼我の差を痛感したことだろう。だが、それがドイツの全貌ではない。「ナチズムの清算」の旗の下に、その軍隊は他国へ展開し、銃は再び人間に向かって構えられている。ドイツの「過去への反省」の先にいったい何があるのか、一面的な賞賛では思わぬ陥穽に陥るのではないか、欧州と米国の、古いデタントと新しいミリタリズムの外交政策を理解する鍵を提供する。