奈良の大仏建立を背景に輪廻転生を描く
奈良時代。盗賊として多くの命を奪ってきた隻腕の我王は、病にかかって苦しんでいたところを旅の僧・良弁に救われた。良弁と共に旅をするうちに、我王は貧しい人々の苦しみを知り、仏師としての己に目覚める。一方、かつて我王に腕を傷つけられた仏師・茜丸は、旅をつづけながら修行の日々を送っていたが、時の権力者に認められてその名をあげて、逆に仏師としての本当の役割を忘れてしまう。やがて二人に、大仏殿の鬼瓦を焼くように、という命が下った。大仏建立を背景に二人の仏師の生きざまを描き、宗教の本質と輪廻転生に迫った重厚な作品。
【編集担当からのおすすめ情報】
角川書店豪華本のカラーページと『COM』連載時の二色ページを再現。全扉絵を収録。