ユビキタス社会では、いつでもどこでも、望む形態の情報を双方向でやり取りできるが、便利な反面、非常に危うい性格をもつ。この問題はいわゆる社会倫理までふくめた情報セキュリティの問題と捉えることができる。情報を隠すといった暗号技術に重点をおいた従来の情報セキュリティの捉え方から、個人情報保護の問題、人物の認証の問題など非常に広範囲な問題を技術的および社会的な観点で扱う必要がある。本書は、情報セキュリティ技術をプライバシー保護や組織のリスクマネージメントの観点で、暗号技術から国際標準、コンプライアンスまで扱った技術者、研究者の必携の書である。