大著『シンボル形式の哲学』から25年、アメリカに在って新しい知的刺激を得ながら、その成果をとり入れて本書は書かれた。学説の長々しい議論を避け、心理学、存在論、認識論の問題を明瞭簡潔に論じ、神話と宗教、言語と芸術、科学と歴史を俎上にのせて、自己解放の過程としての人間文化を総合的に分析する。