左翼的な政治平和論議が横行支配する時代に抗して、近代戦に敗れた意味を反省し、平和の礎は東洋的生産生活と無抵抗精神への回帰にしかないと問答体で訴えた文章。併録する「明治維新とアジアの革命」は、維新の精神がアジアに及ぼした影響を論じながら、自律すべきアジア像を提示した文明論・アジア論で、昭和三十年の稿を初出とする。