1988年2月-それは富士ゼロックスを語るうえで決して忘れることのできない"特別な時"となるだろう。その月、ホーム・パーソナル市場へ、ハンディ転写マシン『写楽』を引っさげて参入することを発表した。もう1つ、ニューワークウェイ(New Work Way)宣言を行なった。社員1人ひとりが変化に感性豊かに対応し、個発想=創造性を発揮することで培った情報発信力、提案力をもって、世の中に創造的なオフィス環境を提供できる"高感度企業"を目指すこと、つまり、つねに青春企業たらんと躍動し始めたのである。『写楽』開発物語は、その先がけ的な動きだった。本書は、その物語を包み込みながら、大いなる変身へ向けて、さまざまに躍動し始めた富士ゼロックスの現状報告である。