イギリス社会が新興の中産階層の力で近代的市民社会へ脱皮してゆく時、その政治思想の代表者がロック(1632‐1704)であった。君権神授説を否定し人間の平等と人民の政府改廃の権利を明らかにした彼の「政府二論」-特にそのうちの後編に当たる本書は、アメリカ独立宣言の原理的核心となり、フランス革命にも影響を与えた。