「心がひきおこすこういったさまざまな現象に、適切な理解線をみつけだし、何とかして統一的に、心の動きをつかまえたい」。心的世界をどうとらえるか。心を理解する上で必要な方向軸とはなにか-。自らの問いの答えを求める孤独な試みの果て、時に「人間というものの不可解さと悲しさにたちすくみ」ながら到達した、吉本隆明の代表作。