在日朝鮮・韓国人の発病にいたる過程は、「在日」という「負」の歴史が刻印された「個」の生活史を抜きには考えられない。精神科医として、自らは末期癌に冒され死と背中合わせに生きながら、一人ひとりの患者さんを丁寧に診察しつつ、その具体的症例をとおして「在日」外国人の置かれた社会の実相に迫りつつ、精神医療の引き裂かれた現実の核心に迫る。