古びた旧街道を一人の騎士が猛ダッシュしていた。背後には豚人種の群れ。「俺様の逃げ足は六門一よォ!」男は戦おうとしない。ただ走る。だが-コケた。石畳を転がってゆく。六つの種族が世界の覇権を賭けて争う"六王国時代"。無様に寝そべるお調子者は、後に「人類の救世主」として語り継がれる英雄、アーヴィン。「いやあの、お願いだから見捨てないで」まだ未来は遠く、あるのは臆病な凡人騎士の現実だけだった…。果たして、世界最弱の英雄は如何にして稀代の『英雄伝』を紡ぐのか!?面倒御免!戦いに別れを告げるエスケープ・ファンタジー誕生。