「夏海紗音って、誰?」クラスメイトの瀬戸さんに呼び出されて何の脈絡もなく発せられたその言葉に僕の思考は一瞬で吹き飛ばされた。紗音と別れ、僕の中で崩壊した世界観を立て直し、平凡な高校生として平凡な毎日に適応し始めたはずなのに。この世界では誰も知らないはずの彼女の名前を、なんで瀬戸さんが知ってるんだ!?しかも事件はそれだけじゃ終わらなかった。混乱して家に帰り、寝てしまった僕は聞き覚えのある声で目を覚ました。「あ。起きた。ハロー!」心臓が止まりそうになった。嘘だろ?とりあえずこれだけは言わせてくれ、また会えたな、紗音。