「走れ!」遊馬は、麻衣子の手を握り叫んだ。深い森の中、降りしきる豪雨、稲光が迫り来る影を一瞬照らす-刀を持った山姥。遊馬は強い殺意を感じ、恐怖した。ある青年に送られた殺人の撮されたフィルム。その取材のため、オカルト新聞記者-天瑞遊馬と聖麻衣子は、魔女のキザイアを伴い、奥多摩の最奥"御名神村"を訪れる。妖を謳う俳句、傷を持つマスクの復員兵、屋敷に幻の如く出現する美女、謎が交錯し殺人が起こるが…。遊馬は、果たして事件の謎を解き明かせるのか?昭和29年、人心になお巣喰う闇を描く冒険ミステリー第四弾。