「騒げば命がないと思え」首もとに突きつけられた短剣。鳴は言葉を失った。向けられた切っ先よりも冷ややかな、颯音の瞳に愕然としながら-。異能の力を受け入れてくれる戸谷ノ庄で、しばしの安息の日々を送る鳴と颯音。だが、異能集団「狐」を裏切った颯音に対し、組織から刺客が放たれる。二人で生きると誓った言葉を真実にするため戦いに赴く颯音を、鳴は送り出す。信じているから。共に生きると約束したから。しかし、戦いを終えた颯音は、鳴に関する記憶を、失っていた。時は五百年の昔、戦乱の世。なくしてしまった大切な想いを取り戻すための戦いが、始まった。