夏の終わり、山間に位置する聖マルグリット学園を少し早い秋の訪れを感じさせる、涼しい風が吹き抜ける。それは、ある少女の不在を皆に告げているようでもあった-。学園から突如いなくなった金色の妖精・ヴィクトリカ-リトアニアに存在すると呼ばれる修道院に軟禁され、生命の危機に瀕していると聞いた、東洋からの留学生・久城一弥は、自らヴィクトリカを迎えに行くことを申し出る。大きな力を持ちながらも、生きることに苦しんでいる小さな少女を助けるために。豪華大陸横断列車で知り合った、奇妙な乗客たち。そして、ファンタスマゴリアと呼ばれる謎の夜会で巻き起こる殺人事件。徐々に大戦とそしてその裏側で進行する謎が明らかに。果たして、一弥はヴィクトリカを無事助け出すことができるのか?ゴシック・ミステリー第五弾。