• Authorスティーヴン・ジェー・グールド 広野喜幸
  • Publisher早川書房
  • ISBN9784152079695
  • Publish Date1995年10月

がんばれカミナリ竜 上 / 進化生物学と去りゆく生きものたち

進化の歴史は、思いもよらない偶然が連なって作られる。人間の出現もまた、無数の起こりそうもない出来事が重なった結果にすぎない。長い進化の途上でオタマジャクシを胃のなかで育てるようになった、珍しいカエルがこの世から消えた。海王星とその衛星トリトンが並んだ美しい写真の送信を最後に、惑星探査機ボイジャーが太陽系を去った。そしていま、われらがカナミリ竜、この愛すべき名前もまた歴史の偶然によって失われてしまうのか。かれらを消してしまうのは、どのような偶然なのだろうか。カンブリア紀の奇妙な化石動物群をめぐる意欲作『ワンダフル・ライフ』を書いた現代進化生物学の旗手グールドが、偶然に翻弄され進化の小道に姿を消す生きものたちへ、切々と熱いエールを送る、科学エッセーの白眉。

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