あの『アローハ・オエ』の作詞作曲者でもあるハワイの女王リリウオカラーニは、音楽を愛し、ハワイの民衆に愛された。だが、太平洋上に浮かぶこの楽園は西欧列国の標的となり、誇り高き彼女とその国も、およそ一世紀前、とうとうアメリカに強奪されることとなる。つねにアメリカのマイノリティーをテーマに追いつづけてきた著者が構想を温めること三十四年、「リリウオカラーニの涙」の秘密を解きあかすライフワーク。