口のなかの病気といえば虫歯と口内炎しか思い浮ばず、さほど深刻でないと考える人が多いが、肩凝りや腰痛などを引き起こす場合もあって軽視することはできない。そのうえ最新の研究成果によって、咀嚼という日常の行為が運動能力の優劣を左右し、脳の働きにまで影響することが明らかにされつつある。本書は、体を健康に保ち、脳の働きを活性化するうえで重要な「口腔の医学」に焦点を当て、高齢化社会の医療を考える試みである。