400トンの金属のかたまりが時速1000キロで自由に空を飛ぶ!想像を絶する出来事だ。どのようにしたら重いものも飛べるのか。その謎を探る長い歴史の後、100年ほど前に、空を飛ぶ夢は飛行機に結晶した。本書では、揚力の探求の話題を手始めに、エンジンの原理と歴史、プロペラや翼の理論など、飛行機の要となる工学と技術を、ベルヌーイ、ケイリー卿、リリエンタール、ライト兄弟などのエピソードをまじえながら歴史的にひもとく。さまざまな分野の技術が飛行機に適用されていくさまは、技術者のロマンがひしひしと感じられる。後半では飛行機開発の社会的背景にも触れられる。工学一般に関心のある学生・技術者に格好の航空技術の入門書。