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  • 著者池修
  • 出版社光村推古書院
  • ISBN9784838105618
  • 発行2017年11月

佛教の文様 / 打敷の織と刺繍

寺院の本堂や家庭の仏壇には、香炉や燭台などをのせる卓(しょく)があります。この卓には、法事や行事の際、三角あるいは四角の裂(きれ)が掛けられます。この裂を打敷(うちしき)といいます。
本書は、その「打敷」に使用されているさまざまな文様を紹介します。
寺院の内陣や仏壇内は金色に輝いていることが多いのですが、この中に金襴や錦などの高級織物や、刺繍された色彩豊かな打敷が掛けられることによって、より華やかで荘重な空間に変わります。仏や故人を敬う心から、高価な裂を用いて贅を尽くした打敷は、時代の流れによって厳粛さの中にも季節感のある織物を取り入れるようになりました。仏事を季節の行事のひとつとも認識していた、日本人の感性が伝わってきます。
これらの打敷は、特別な機会に、しかも期間限定で登場するだけですが、そこには当時の宗教空間に対する価値観や思いが込められています。また、当時の染織の粋を集めたデザインと色彩の打敷は、その時代を伺うことができる資料でもあります。
[家紋] 菊御紋・裏菊紋・閑院宮菊紋・九重菊紋・八葉菊紋・五七桐紋・八藤文・近衛牡丹紋・二條藤紋・久我龍胆紋
[動物文] 龍文・鳳凰文・麒麟文・獅子文・鶴文・鳥文
[植物文] 蓮文・菊文・桐文・牡丹文・撫子文・紫陽花文・菖蒲文・葵文・花文・花籠文・唐花文・宝相華文
[有職文] 小葵文・轡唐草文・亀甲花菱文・七宝繋文・蜀江文
[その他] 天女文・法輪文・楽器文・雲文・波文・宝尽文

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