「誇大自己」をかかえた若者たちがインターネットの海に溶けてゆく。少年Aの声明文は、夜毎交わされるおびただしい数のメールによく似ていた。「キミだけは、僕の苦しみをわかってくれるよね?」誇大な自己と脆弱な自己。この自己の二重性をかかえて自室に引きこもる若者たちは、コンピュータに向かって訴え続ける。