日本古代の展望台に到達し、国号を日本と定めた朝廷は、律令制度を完成し、国富を集中して華麗な奈良の都を造る。貴族は惜しみなく富を七堂伽藍にそそぎ、民衆は悲喜交々の歌を万葉に託す。貴族と民衆の織りなす史劇を、古代人の心にわけ入って構成しながら、奈良時代の実像に迫る。