紀元前6世紀の中国、春秋時代。呉王・闔閭の楚討伐戦争における緒戦は呉軍の優勢に終わり、決戦を求める両軍は柏挙の地に布陣した。守りを固めて名将・沈尹戌の到着を待つ楚軍だったが、戦いを焦る大将・嚢瓦は軍を二手に分ける。好機を得た呉軍だが、呉王・闔閭の弟の夫概が功を急ぎ、単独で嚢瓦の陣に攻撃をかけてしまう。敵味方ともに予想外の形で始まった、歴史に名高い「柏挙の戦い」。この決戦に、孫武は緻密な心理戦を仕掛けて戦場全体を支配する!巻末には「孫子の兵法」全訳&現代的活用法の解説を収録。