明治の世が始まって間もなく、徴兵制そのものや悪化する待遇に不満を抱く近衛兵士が天皇への強訴を計画し、叛乱を起こした。しかし、それは事前に露見していたのみならず、五十余名もが処刑、さらには「軍人勅諭」など大日本帝国陸軍の完成へと利用されていく。そこにいったいどのような陰謀があったのか。闇に葬られていた「竹橋事件」を掘り起こした執念のノンフィクション。