社長からの給与レター / 20年間、給与明細に同封し続けた社員への思い

上場企業でもなく一般にはほとんど知られていないが、「かためる（塊成化）」技術ではオンリーワン、ナンバーワンの企業が京都に本社をおく「ケイハン」です。戦後すぐは蒸気機関車（SL）の石炭燃料の９０％を国鉄に納め、高度成長期から現在にかけては新日鉄やJFEスチール内に自社工場をもち、製鋼のための成型炭を納め、いわば、日本の産業を下支えしているスゴイ会社です。そのケイハンの西田康郎社長は、毎月、社員に渡す給与明細に、自分の事業に対する想いや社員の励まし、従業員一同で共有したいことなどを、A4サイズ1枚600字程度の文章にまとめ、給与レターという形で毎月同封しています。全国に事業所が点在しているため社員が一堂に会してという機会が少なく、統一した朝礼をということもできないので、せめて月に1度、社員皆が共有できるものということで始めたものなのですが、文章にしているので「形」に残る、読み直してもらうこともできるなどのメリットがあるわけです。本書はこの給与レターを再編集し、1月、2月と月ごとに分類し紹介するもの。１Pないしは２Pで1話完結の読みやすい内容で、若い人には実践的なビジネスヒント、生き方ヒントが凝縮した本、また経営者管理職にとっては朝礼やミーティングなどに活用ができる本です。