男と過す夜の安らかなときめき。あじさいホテルの、あの部屋だけが、私と彼の世界。恋というものは、ある種の、かるいたわむれ心だった。それなのに、桐生の色ひといろに染めあげられすぎてる-。一行一行を舐る愉悦-田辺聖子の恋愛小説。復刊長編小説第二弾。