一六〇九年の島津侵攻、一八七九年の「琉球処分」による日本支配、一九四五年の日本敗戦によるアメリカ支配、そして一九七二年の「沖縄返還」による日本支配への復帰と、琉球・沖縄の歴史は常に侵略・支配されるネガティブな歴史としてイメージされてきた。著者は、独立国家・琉球の歴史を、中国や日本といった「国家」単位で理解することに異議を唱える。輝かしい交易国家・琉球の本質を捉えるには、「海域アジア世界」という「面」と民間レベルを含めた交流史の解明がポイントだという。その歴史をいちばん体現した時代こそが12〜17世紀の古琉球時代だった。