被害発生から44年の2012年8月29日、「カネミ油症被害者救済法」が成立した。油症は、世界でも類を見ないダイオキシン類による悲惨極まりない食品公害事件だ。本書は、油症被害の真実を追い求め、国や企業の責任を問い続けた夫婦の壮絶な物語である。悲劇を繰り返さないためにも、決してこの問題から目をそむけてはいけない。