冷徹な青春歌 感傷や郷愁をふりほどき、今ここにある光を掬う。 東 直子
自選短歌五首 物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋
泥のしみこんだ軍手を手にもって立っている次に見る夢にも
地声から裏声に切り換えるときこんなにも間近な地平線
朝焼けのジープに備え付けてあるタイヤが外したくてふるえる
若いうちの苦労は買ってでも、でしょう? 磯の匂いがしてくるでしょう?