こどもの哲学は、思考や議論の訓練ではなく、ケア的な哲学対話である。自分で表現することを学び、他人と語り合い、ともに考えるという経験から、自己や他者についての信頼、言葉やコミュニティへの信頼を育み、困難や挫折を他人とともに乗り越える力をつける。筆者らが見出したこどもの哲学、哲学の姿を、国内外の対話の紹介や「こどもとは?」「哲学するとは?」「教育とは?」という問いへの考察から提示する。