刑部は厳しく云い放った。「誰も知らない事実など事実ではございません。過去とは亡霊のようなもの」「その時は、それが真実になってしまうのです」。「成仙道」の幹部・刑部(おさかべ)を前に、家族を“喪った”男・村上貫一は大きく揺れた。同じころ、「韓流気道会」の毒手は、突如消息を絶った木場を追う二人の刑事、青木と河原崎へと伸び、華仙姑処女(かせんこおとめ)は“開かずの間に居たモノ”にまつわる戦慄の体験を語りはじめる。