イタリアの男爵家の長子コジモ少年は、十二歳のある日、カタツムリ料理を拒否して木に登った。以来、恋も冒険も革命もすべてが樹上という、奇想天外にして痛快無比なファンタジーが繰り広げられる。笑いのなかに、俗なるものが風刺され、失われた自然への郷愁が語られるカルヴィーノ文学の代表作。