本書はペティからケインズにいたるまでの経済学者の苦悩のあとを辿りつつ、貨幣の背後にある資本主義社会の架空性=虚妄性をえぐり出す。著者のこれまでの、今の人間の生き方の空しさを告発する一連の仕事に貴重な一環をつけ加えた労作である。現代を理解する鍵となる好著である。