近代以前、文明の中心にあったアジアから主要物産を輸入していた日本と西欧は、鎖国、近代世界システム確立の過程で輸入代替化に成功し、併行的発展をとげた。さらに開国後、文化の相違により西欧と競合しなかった日本は、アジア間競争の勝者になっていく-。そうした過程を木綿を例に実証。物産利用に文化差が関わる事実に着目して、西欧モデルの単線的な発展段階論を批判し、アジア、西欧を視野に入れて考察するスケールの大きい日本文明論。