異郷の河に浮かぶ船を仮寓とする「彼」。陽当りのいいリビング。本とレコードが几帳面に並ぶ樫の木の棚。謎めいた大家を時に見舞いながら、古いLPに耳を澄ます日々。ためらいつづけることの意味をさぐる最新長編。〈受賞情報〉読売文学賞小説賞(第57回)