本書は庭園の歴史でも、また庭園芸術の個別作品の記述でもない。これはさまざまな時代、さまざまな国々の芸術的認識の表れとしての庭園様式への接近を試みたものである。国や時代は、ロシアの庭園の特性の何たるかを解明する手助けとなりうるものに限られた。したがって、オランダ・バロックにはフランス古典主義よりも多くの注意が払われており、ロマンティシズムは本書ではもっとも大きな部分を占めている。なぜなら、ロシアの庭園芸術において、それのもつ意味はとくに大きいからである。