一冊の書物に封じられた一二五〇首の短歌-。それは一二の章で構築されたただ一篇の詩でもある。あらゆる意味で型破りな古今未曾有の一篇の詩-。そこに記録されているのは、熟み果てた詩歌の郷土を棄て交響する言葉の煉獄を経めぐる孤独な旅人の声だ。