特集「魂の承継」 からだから遊離してしまう「魂」のことを失われた「いのち」といいます。けれども、われわれの前にある、失われた「いのち」とは、死者のことなのでしょうか。 もともと「魂」は人間だけではなく、生きているすべてのものに存在すると考えられてきました。なんらかの形で受け継がれ、受け継いでいくものとしての「魂」。「魂」の原義や違いについて古今東西の思想を掘り下げながら、「魂」の意味するものを捉え直し、日本人やヨーロッパ人の死生観、あるいはその言説に寄り添いながら、魂を受け継ぐこと=「魂の承継」について、死生学、ヨーロッパ思想史、宗教学の視点から考察します