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  • Author吉田隆之
  • Publisher水曜社
  • ISBN9784880653648
  • Publish Date2015年8月

トリエンナーレはなにをめざすのか / 都市型芸術祭の意義と展望

まちにアートがやってきた! 県庁担当職員が見た 3年に一度の都市型芸術祭=トリエンナーレの政策と意義

あいちトリエンナーレ。この10 億円以上の税金を使う大がかりなアートプロジェクトの方向性は正しいのか。横浜や神戸のように都市型芸術祭を創造都市政策上に位置づけたからといって、必ずしも継続性が担保されるわけではない。このような文化事業は首長の交替や経済情勢などにより容易に政策転換されてしまう可能性がある。

著者は愛知県職員として、2009 年からあいちトリエンナーレの隣接都市空間の展開と企画コンペを担当。メーン会場となった名古屋市中区長者町地区では、トリエンナーレをきっかけに地区内外で若者らのコミュニティが次々と生まれ、その数、自発性、変容のスピード感などが、他のアートプロジェクトに比べ半歩抜きん出ているように思われた。その一方であいちトリエンナーレ開催後、札幌市・さいたま市・京都市など多くの都市型芸術祭が新たに開催・計画されたが、これらの国際展に対して均質化・陳腐化が指摘されている。

本書は、長者町地区で起きた地域コミュニティ形成の面での効果と「トリエンナーレがなにを目指すのか」、ひいては都市型芸術祭の今後の方向性に焦点を当て、その意義と継続の道筋を示す。

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