強力な印象で眼前に立ちはだかる『死の島』の威容。19世紀末、アルノルト・ベックリーンは都市文明への不信感から、最後の逃走の地-自らの埋葬地として、古代的神秘をたたえたこの孤島を描いた。高貴な孤独へといざなうこの図像のイメージ喚起力は、各時代の気分を反映しながら絵画にとどまらない影響と変奏を現在も生み続けている。