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  • 著者登尾明彦/著
  • 出版社草風館
  • ISBN9784883231119
  • 発行1999年5月

湊川,私の学校

▼湊川高校は兵庫県立の定時制高校です。先の阪神大震災では被災民の避難所になりました▲ ▼本書は、この学校に三〇年間勤務し、生徒と向き合ってきた教師の実践記録です▲ ▼いまどき「私の学校」と言い切れる教師がどのくらいいるだろうか▲ 〈湊川〉で今春、三十年が過ぎた。〈湊川〉というこのたやすくない学校で、私のような者がこれだけの期間、よく続けて来られたというのが正直なところだが、その原動力は、生徒にあった。生徒といっても押しなべて、ではない。部落、朝鮮、沖縄、「障害」者等々、差別や貧困の悪条件と闘っている生徒たちでむろんあったが、いうまでもない。彼らが発する問い、が私を撃った。学校とは何か、勉強するとはどういうことか、教師とは何か。……定時制高校は、三十年前とはずいぶん趣が違っている。〈湊川〉も夜間中学校卒のオモニたちハルモニたちの在籍が多いし、中学時代まで不登校、登校拒否を続けてきた生徒も少なくない。それもこれもあわせて〈湊川〉は、学校の原初の形を留めている。この思いが、定時制高校教師としての私の起点に、今もある。(「あとがき」より)

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