「乗物遺産」。それは経済的な価値はなくとも、産業革命のスピリッツを今も沸きおこさせる乗物たち。移動のための道具ではなく、乗ることそのものに意義がある乗物たち。イギリスの今日を築き上げてきた「乗物遺産」に対するイギリス人のリスペクトは、古きよき時代へのノスタルジーを超えた感情と誇りであり、今現在、輸送力として活躍しているかどうか、などという無粋な議論はここには存在しないのである。