東北の突出した仏教人であった父政次郎のもとでの少年期・法華経への入信、国柱会への入会と父との葛藤。妹トシの死とサハリン旅行。そして詩集『春と修羅』へ…。本書はこの軌跡を詳述し、賢治の「修羅」意識と、それがいかにして生まれたかを解明する。