インド南西部のケララ州を舞台に描かれる家族の栄華と没落、確執と愛、そして伝統的なカースト制と闘いながら成長していく双子の兄妹エスタとラヘル。早熟なイギリス人のいとこの死を機に、「歴史の愛の掟」はその冷酷な鎌をふるい始める-大地に根ざした壮大なユーモアとみずみずしい感覚でインド社会の小宇宙を描き出し、読者の五感に深い余韻を残す詩的な感動作。