1990年度のノーベル文学賞をうけたメキシコの詩人が、『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』、『落ちる水、照明用ガス、が与えられたとせよ』という今世紀の美術の最も謎めいた二つの作品によって、あまりにも有名なマルセル・デュシャンの生涯と作品を辿りつつ、今日における《絵画》の在り方に、そして断末魔《近代》というこの時代そのものに根底的な転換を迫る、鮮烈な美術批評。